「ARCHIVES―Ten Years of Hidden Champion」というアートブックを入手しました。
スケボーを原点に持つストリートアートの匠達、40人の作品とインタビューが載ってます。
エリック・ヘイズやエド・テンプルトン、ジェイソン・ディル、
そして注目の日本人アーティスト「HAROSHI」などの豪華アーティストが登場します。
本書は2003年にスタートした「Hidden Champion(ヒドゥン・チャンピオン)」
というフリーマガジンが元になっていて、2013年までの10年間で取材したインタビューの
中から40人のアーティストに厳選して一冊にまとめたもの。
本書の中では匠達の興味深いインタビューが掲載されています。
その中で彼らに共通していたことはお金や名誉ではなく、好きな事に情熱を燃やし
行動した結果、今のステージに立っているということ。
そしてスケボーから受けた影響が今の作品の根幹にあるという。
そんな彼らのメッセージをいくつか紹介したいと思います。
ストリートアートに興味のある人やアーティスト志望の人のバイブル的一冊に
なること間違いなし!
スケーター独自の視点がストリートアートを産む
まずはスケーターが創造するストリートアートについて考えてみたいと思います。
スケーター独自のアイデアや街を見る視点が作品に大きく影響していることは
間違いないことだと思います。
そのスケーター独自の視点とは一体なんなのでしょう。
本書の冒頭部分に載っていたものを以下のようにまとめてみました。
- スケーターは既存の枠に囚われない。
- スケーターから見るストリートは普通の人には見えないものが見える。
- スケーターは社会的に破壊行為を行う側面もあるが、あくまで新たな創造を産む行為でそこに歪んだ思想はない。
これはある意味、良識ある大人と言われる人にはない視点だと思います。
大手メーカーのエリートが作った製品よりアウトローが作った物の方に
魅力を感じるのは私だけでしょうか?
エリック・ヘイズ
![エリック・ヘイズ](https://suke-to.com/wp-content/uploads/2015/06/HAZE_Portrait_Hires.jpg)
30年にも渡ってアーティスト、プロダクトデザイナー、ブランドディレクターなどの
多彩な才能を発揮し続けるパイオニア的存在。
アパレルブランドとしてはXLARGEと縁の深いのがHAZEです。
エリック・ヘイズは無名のころからビースティーボーイズとの交流があり友人だそうで、
XLARGEがHAZEを支援するのは必然だったようです。
現在の彼はどのように作品を産み出しているのでしょうか?
ー今現在のライフワークはどうのような感じなのですか?ー
昔と比べても特に変わりはないんだ。自分のクリエティビティを、
新たに表現する方法を探すことがライフワークだからね。
その方法やフォーカスは時代によって変わるかもしれないけれど、
その根源にある想いはずっと変わらないんだ。
今はできるだけテクノロジーに頼らずに、なるべくハンドライティングを
中心に仕上げて、1つのアート作品として世に送り出したりたいんだ。
エド・テンプルトン
![スケートカンパニー トイマシーンのエド・テンプルトン](https://suke-to.com/wp-content/uploads/2015/06/5015416426_b0c9204766_z.jpg)
本ブログでも何度か取り上げている「エド・テンプルトン」。
プロスケーターであり、アーティストでありフォトグラファーと様々な活動を
通してストリートアートの世界を拡張してきたエド・テンプルトン。
彼にとってアートとは人生の中でどのような位置づけなのでしょうか?
ーアート作品を制作することは人生の中でどうい意味があるのでしょうか?ー
実際、何をやってもアートなんだよ。地球に住む俺たち全員が毎日やっている。
自分の行動がアートなんだよ。俺の場合はまずTOY MACHINEの
ブレインとしてクリエイティビティワークを担当している。
それが俺の「職業」。そして趣味でやっているアートワーク制作や写真が
あるけど、それも仕事なんだ。だからいつも何かしら作っている気がするよ。
スケートのグラフィックやペイントに限らずね。
ジェイソン・ディル
![プロスケートボーダー ジェイソン・ディル](https://suke-to.com/wp-content/uploads/2015/06/6711130877_7e668a61d1_z.jpg)
プロスケーターであり、アパレルブランド「FUCKING AWESOME」のオーナー。
ニューヨーク ダウンタウンカルチャーの顔「ジェイソン・ディル」です。
彼はスケーターについてこう語っています。
ースケーターと非スケーターの違いってどんなところ感じますか?ー
ケガ、痛みと生きていること。オレの足はスケートしてないと人と比べるとかなり
変形している。まるで、バレリーナが素足でドブの中でダンスしたみたいな感じでね。
ースケートボードの最大の魅力とは?ー
一般人に創作は難しいと思う。一方、スケーターは絶え間なく創作の状態にある。
HAROSHI
![スケボーの廃材でアート制作 HAROSHI](https://suke-to.com/wp-content/uploads/2015/06/sk-02.jpg)
廃材となったスケボーデッキからアート作品を産み出す日本人アーティスト「HAROSHI」。
生まれは横浜で駒沢公園の側で育ち、スケボーに明け暮れる中学生時代。
そして世界で活躍するアーティストに!
使い終わったスケボーデッキを集め再びプレスして産まれる斬新過ぎる彫刻。
このアイデアは一体どこから生まれたのか?
ー制作を始めた頃の周りの反応はどうでしたか?ー
最初はアクセサリーばっかり作ってたんですけど、僕が思ているより反応が
良くなくて(笑)。だからインパクトが欲しいと思って、額にいろんなピースを
入れて壁に掛ける作品を作ったんです。
それが評判良くて、今度はスケートボードを重ねてドクロを制作してみたら、
想像以上にかっこ良くてそれ以来立体物に移行して行きました。
でも別にどうなりたいとか特別なビジョンも無く、何も考えずにひたすら
制作していたんです。・・・
まとめ
このアートブックはスケーターやストリートアートに興味のある人に
是非読んでもらいたい一冊です。
今回紹介したアーティストの他にも世界で活躍するアーティストがたくさん登場します。
その中には「HAROSHI」の他に、日本から飛び出したアーティストもいます。
この本で逆にインスプレーションを受けてからスケボーしに行くってもの
いいかもしれませんね。
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