実家で自堕落な生活を送っていた32歳の女「一子」は出戻りの妹との関係悪化で実家を出ることを余儀なくされる。
仕方なく行きつけだった100円ショップで働かせてもらうことに・・・
そこで出会った引退間際のプロボクサーと恋にボクシングにのめり込んでいく・・・
この映画「安藤サクラ」の女優魂が超絶なのだが、共演者の「新井浩文」に今日本でナンバーワンの女優と言わしめたその演技と映画に向かう姿勢には圧巻の一言。
例えば冒頭の一子の腹回りは脂肪がボヨンボヨンなのだが終盤ではスリムなかっこいい体型に変身。
当の本人もどうやって短期間で絞ったか覚えてないそう。
ホントに冒頭の一子のダメさ加減は素晴らしい!
そして本物のボクサーと見間違うほどのシャド ーはなかなかかっこいいんだ。
昔観たミッキローク先生の猫パンチとは大分違う(笑)
そんなわけでこの映画を見終わって感じたことは人生ってたまたまの連続なんじゃないかってこと。
よく成功者と言われる人が自信満々にあの時、僕はこうしたから今の成功がある!オッホン!
なんて言って自分の人生をコントロールしている気になっているけどそれって本当にそうなの?
現在から過去を振り返って自分が納得いくように後付けでまとめているだけなんじゃないかって。
一子もたまたま実家を出る事になって、たまたま100円ショップで働く事になって、
たまたま引退間際のプロボクサーに出会って、たまたまボクシングにめり込んでいったんじゃないかな?
その結果、引きこもりから抜け出し、まっとうな人間生活が送れるようになった。
(↓ここからは映画のストリーとは関係ないです)
でも数年後にはまた違う生活を送っているかもしれない・・・
結婚した亭主が酒に溺れて暴力を振るうようになり離婚。
幼い子供を育てるのに水商売に・・・セクハラおやじ相手に酒を注ぐ・・・
あ〜こんな人生もういやだ〜
一念発起してキャバクラの経営に乗り出す!
またまた一子のサクセスストリーが始まる!
良い事も悪い事もそんなことが生きている間ずぅ〜っと繰り返し起こる。
だからって人生たまたまなんて言って何もしないことではなく、
今現在を最大限楽しむことが大切なんじゃなかってこと。
スケボーしたけりゃ、やればいいし。
ピストバイク乗りたきゃ、乗ればいいし。
映画観たけりゃ、観ればいいし。
一家団欒したけりゃ、そうすればいいってこと。
金がね〜なんて言ってるなら、金のなさを楽しむ。
工夫して飯作ってうめぇ〜って思える幸せを感じる。
まさしく少し前のビックダディ一家がそれを実践してたね。
もう会社なんて行きたくね〜って言うなら、もう行かなくていい。
さっさっと辞めて違う事しよう!
やりたい仕事がなけりゃ何だっていいじゃん。
一子みたいに100円ショップだっていい。
そしてそこでたまたま出会った人や物や出来事を良いも悪いもしっかりと味わう。
計画的に人生を進めて来たと思っている人には受け入れがたい考え方だけどね。
僕も昔は目的、目標をしっかり設定することが自分の人生をコントロールできることだと思っていたのでよく解ります。
何だか解らない複雑な宇宙の法則を人間ごときがコントロールできるかってんだ!
でもこの「人生たまたま」なんだって事を知った時、今までガチガチに固まっていた体の力がすぅ〜と抜けて、
心身を壊してまで必死になってやっていたことが何だかバカバカしく思えて笑えてきたのです。
そして過去なんてどうでもいい。
未来なんて解りゃしない。
今をもっと楽しもうと思えたのです。
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