本棚の整理をしていたらこんな物が出てきた。
9年前にお遍路をしたときの御朱印だ。
最近は御朱印を集める御朱印女子とか御朱印ガールがいると聞いたことがある。
もしかしたらこれを小脇に抱えて歩いていたらそんな女子に声をかけられるかもしれない。
御朱印もネットで売れると聞いたことがある。
無くしてしまった人や途中から始めたい人なんかが買うそうな。
僕は何度も言っているけど無宗教です。
お遍路に行った理由は「修行してる感じでかっこいいじゃん」が理由。
当時の僕は「バガボンド」の”たけぞう”こと宮本武蔵に憧れていてお遍路をしている姿が
修行している、たけぞうとダブって見えてかっこいいと思ったんです。
だからこの年の夏は絶対お遍路に行こうと決めて一人じゃ寂しいので幼馴染のマセを誘って
四国の地に降り立ったのです。
お遍路とは
四国八十八箇所(しこくはちじゅうはっかしょ、「四国八十八ヶ所」とも表記される)は、四国にある空海(弘法大師)ゆかりの88か所の寺院の総称で、四国霊場の最も代表的な札所である。単に八十八箇所ともいい、あるいはお四国さん、あるいは本四国ともいわれている。 四国八十八箇所を巡拝することを四国八十八ヶ所霊場会では四国巡礼といい、似たような呼び方として四国遍路、四国巡拝などともいう。
引用元:Wikipedia
”たけぞう”のようなざんばら髪と無精髭に憧れて
いよいよ僕らのお遍路の旅が始まるわけですが、お遍路に関して全く知識のない僕たち。
とりあえず1番寺の近くにあったお店に入って色々聞いてみました。
空海さんという偉いお坊さんのゆかりのお寺を回るということで、御朱印と金剛杖と
白装束の上だけ、そして拝む時に立てるロウソクを購入。
店員さんはこんなモグリな僕らに嫌な顔ひとつぜず親切に対応してくれました。
さてそれらのアイテムをまるでドラクエの旅が始まるかのごとく装備し
1番寺で照れながら初めて唱える般若心経。そして手を合わせる。
旅の無事を祈願したか定かでない・・・
ちなみにお遍路には1番寺から順番に回って行く「順打ち」と最後の88番寺から回る
「逆打ち」があって僕らは特に決めて来たわけでもなく自動的に順打ちで回ることに。
昔はお遍路は死者が出るくらい過酷な旅と言われていたらしいが、
現在では自転車やバイク、車でカジュアルにサックと回る人もいるとか。
僕らは修行に来ているのでもちろん歩いて行く!
そんなわけで2番寺、3番寺と回って行くのだが、お遍路をしている人は大体同じ
格好をしているので一目瞭然。
本気の?巡礼の人達はもちろん、僕らのような若者の姿もチラホラ見受けられる。
その中には髪が伸びきって、無精髭を生やしたまさに”たけぞう”風の男性が!
かっこいい〜!僕も旅が終わるころには髪はあそこまで伸びないにしろ、
日焼けに無精髭が似合う男として身も心も変化しているんじゃないかと期待に胸膨らます。
旅の醍醐味は人との出会い
よく旅の醍醐味は人との出会いって言うけど僕ら二人はどちらかというと社交的でない。
しかしそんな僕らでもこのお遍路の旅では自然に人との出会いを楽しむことができたのです。
そう、ちょ〜自然に。
目的地が一緒で宿泊先も重なることから僕らは大体6〜7人で行動を共にするようになった。
言わば「お遍路さんはリアルドラクエ状態」となっていたのである。
まぁ6〜7人いるからそれなりのちょっとしたドラマがあるわけ。
その中でも2つエピソードを紹介。
エピソード1
3番寺あたりから10代のカラテ高校生と一緒に行動するようになってその高校生は空手部に
所属しているらしくカラテ高校生ってわけだ。
声をかけたのもどちらが先かは不明。自然に話すようになり仲良くなる。
宿泊先も一緒で3日目の宿あたりで一緒に風呂でも入ろうと思っていたのだが、
昼間、歩きながら色々話していたらそのカラテ高校生は実は・・・
女子だったことが判明!
僕はず〜っと男だと思っていたのでちょ〜びっくり!
しかも男だと思っていたのは僕だけでマセをはじめ皆、女性だと解っていたという。
旅のメンバーの一人のおばちゃんにも「あなたそれは失礼よ〜」って言われて赤面。
彼、いやいや彼女に丁重にお詫びをして一緒に風呂に入ろうと思っていた事を
胸の奥にそっと閉まったのだった。
エピソード2
そしてもう一つは、このおばちゃんとのエピソード。
おばちゃんもどこで知り合ったか忘れたが自然に行動を共にする。
何番目かのお寺が急な坂が続く丘の上にあって、登って行くのが結構しんどい。
僕たち若者でも辛いのだから、当然おばちゃんは中腹あたりでダウン。
「私のことはいいから先に行って・・・」
とまるでドラマか映画で聞くような台詞をリアルで初めて聞く。
でもここまで一緒に来た連帯感は少なからずあったので、僕とカラテ高校生は今来た道を
引き返し、自動販売機を見つけ冷たいお茶を購入。
急いでおばちゃんの元まで戻り手渡し、ゆっくりでいいからこれを飲みながら来て下さい!
と僕らは先に行く事にした。
頂上のお寺に着いて一通り巡礼を済ませ、おばちゃん来ないかな〜と待っていると、
遠くに見覚えのあるシルエットが・・・
ああ!!おばちゃんだ!
お〜い!こっちこっち!
おばちゃんは汗だくになりながら何とか登ってこれたので一安心。
もう私はこれ以上迷惑かけられないから自分のペースでゆっくり行くわ。
ありがとね〜とここでおばちゃんと別れたのであった。
旅の再開を胸に誓う
こんな感じでお遍路には人との出会いがありドラマがあるのです。
しかも名前も知らない者の同士がここまで繋がれるって今思うとSNSより上じゃん。
連絡先すら交換していないのでまさしく一期一会。
メンバーの中にカメラマンの人がいたけど当時の写真ほしいな。
当然連絡取れません。名前も知りません。
僕は携帯の写メで写真撮ったけど、機種交換と共に何処かに行ってしまった・・・
なので写真が一切ないのです・・・非常に残念(涙)
今あの当時の思い出を語れるのはこの御朱印と金剛杖だけ。
15番寺まで回ってこの旅は一旦止まっています。
いつかまたこの旅を再開しようと思っています。
今度は嫁さんと一緒に回ろうかな?
ネットで嫁さん用に15番寺まで終わってる御朱印探そうかな?
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