一時代を築いたスケボーブランド「ワールドインダストリーズ」と「ブラインド」設立秘話を覗いてみよう

一時代を築いたスケボーブランド「ワールドインダストリーズ」と「ブラインド」設立秘話を覗いてみよう

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スケボー史には数々の伝説的カンパニーが存在します。

今回はその中でも「World Industries(ワールドインダストリーズ)」とその傘下の

「Blind(ブラインド)」。

この二つの設立秘話を「ザ・マット」より覗いてみたいと思います。

 

World Industries(ワールドインダストリーズ)

ワールドインダストリーズはロドニー・ミューレンとスティーブ・ロコによって

設立されたスケボーカンパニーです。

当初ロドニーはスティーブに巻き込まれる形でパウエルに所属しながら

ワールドインダストリーズの前身となるカンパニーを運営していました。

これって相当ヤバいことですが、当時のロドニーはそれがいけないことだとの認識はなく、

自分がスポンサーからもらったお金をこのカンパニーに突っ込んだり、

パウエルのデッキを進めるどころかこのカンパニーのデッキを進めて営業するほどでした。

天然もいいとこですが、パウエル側も黙っているわけはありません。

ロドニーは社長のジョージ・パウレルに呼び出されスティーブと手を切るよう説得されます。

ロドニーはジョージのことは嫌いでなくむしろ好きだったのですが、

スケボー界は変革期にあり、フリースタイルは廃れ、それに変わってストリートが人気を集める

時代に入っていたのです。

それと同時にロドニーがリスペクトしていたステイシー・ペラルタがパウエルを去る

タイミングでもあったのです。

更に当時の時代背景として、スケボー界はビッグファイブのカンパニー、

「インデペンデント」「パウエル」「ビジョン」「サンタクルーズ」「トラッカー」に

牛耳られていました。

そんな混沌とした状況の中で、世のスケーター達は新たなリアルストリートテイストの

カンパニーを求めていたのです。

ロドニーがそんな状況を読んでいたかは解りませんが、相棒のスティーブには先見の目があり

当時、時代を変えようとしていたマーク・ゴンザレスやナスタ・カウパス、

そしてマイク・バレリーとよくつるんでいたのでした。

バレリーはロドニーと同じパウエルに所属するライダーで一躍ストリートの最前線に現れた

人気スケーターでした。

バレリーはパウエルに対して不満を持っていました。

パウエルは固いカンパニーで、チームの一員であることを誇りに持たなければならないような

風潮があり、行動の仕方、撮影で着なければならない服などを記したライダー用の

マニュアルがあり、それがバレリーの神経を逆撫でしたのです。

そんなバレリーとロドニーがある夜に話しをした様子です。

 

「君が辞めるなら僕も辞める」と僕は言って僕は彼と握手をした。

その間、スティーブは捕らえられた猫のように廊下をうろうろしていた。

ドアを開けてスティーブを呼んだとき、彼は凍り付いていた。

「オーケー、二人ともパウエルを辞めることにしたよ」と僕は言った。

「一緒にやろう」僕は彼の笑顔を待った。そしてさらに待った。

彼は不安に襲われ、目を見開いて無言のままだった。

「どうしたの?」とバレリーが訪ねた。

「おまえたちは俺の友達だ。責任を感じるよ」とスティーブは呟いた。

 

ワールドインダストリーズの誕生です!

バレリーがパウエルを辞めてワールドインダストリーズに入ったことは

スケボー界を震撼させました。

このあとは大激震は知っての通り、ワールドインダスリーズはスケート界の

トップカンパニーとなっていくのです。

 

Blind(ブラインド)

そして続いてはブラインドです。

ブラインドはワールドインダストリーズ傘下のカンパニーで、「スティーブ・ロコ」と

ゴンズこと「マーク・ゴンザレス」が設立したスケボーカンパニーです。

当時はマイク・バレリーも相当な人気でしたが、

それでもやはりストリートのキングは紛れもなく「マーク・ゴンザレス」でした。

彼のデッキは爆発的に売れ30日間で30000枚が売れるほどの人気でした。

スティーブはブラインド設立までにゴンズに色々とアプローチしていました。

ロイヤリティや儲け話しに興味のないゴンズでしたが物作りに携われることに惹かれた

ゴンズはいよいよ動き出すのです。

 

「最高だ!俺のカンパニーの名前はブラインド(Blind)に決めた」とマークは言った。

「なぜブラインドなんだ?」とスティーブは訊ねた。

「ブラインド(盲目)はビジョン(視覚)の反対じゃないか」と言って笑った。

ビジョンは彼の現在のスポンサー、いわゆる大企業だった。

「よし、そうしよう」とスティーブは言った。

「でもひとつだけ・・・」と言い、マークは続けた。

「ジェイソン・リーが欲しい」これは痛い。

ジェイソン・リーは若手の中でも特にスタイリッシュで、

マークよりもフリースタイルのテクニカルなトリックをストリートに

ブレンドさせる最高のスケーターだった。

ここ数ヶ月の間、マークとジェイソンは一緒にスケートして親交を深めていた。

ジェイソンがワールドインダストリーズのトップになることは間違いなかったが、

スティーブがマークの要求に応えたことでブラインドは誕生した。

 

ブラインドがビジョンの反対とは面白いですね。

スケーターVS大企業の構図は昔も今でも変わらないですね。

余談ですがこのようなネーミングの裏話で言うと、

ゴンズの友達、スパイク・ジョーンズの映画「her」は自分のカンパニーでもある

「girl」に対してのネーミングだと言う話しを聞いたことがあります。

なんともスケーターの発想は面白いですね。

 

まとめ

歴史に残る出来事には秘話や裏話が付き物です。

時代が動く時、そこには人知を越えた何かがあるのだと思います。

人・物・金、様々な条件がピタっと揃ってしまうのですね。

私もそんな体験してみたいです。

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